other
19世紀のフランスは、三つの偉大な小説連作を生み出した。バルザックの〈人間喜劇〉、ゾラの〈ルーゴン=マッカール叢書〉、そして、ジュール・ヴェルヌの〈驚異の旅〉。このうち、最も紹介が遅れているのがほかならぬ〈驚異の旅〉である。『海底二万里』『地底旅行』『八十日間世界一周』『十五少年漂流記』だけがヴェルヌではない。インド、アメリカ、東欧、北極はもちろん、太陽系をも股にかけて駆けめぐるヴェルヌ的想像力、その知られざる多彩な側面を、同時代の世相や歴史的大事件に取材したアクチュアルな冒険譚から近未来SF、ホフマン流幻想譚まで、初期作品から死後刊行の遺作まで、〈驚異の旅〉小説群より選りすぐりの傑作をコレクション。翻訳は、21世紀ヴェルヌ研究の世界的権威・石橋正孝によって、日本語訳の定本とすべく、従来の挿絵版はもちろん、単行本各版、雑誌連載、および草稿を参照して、底本のテクストを確定。本邦初訳を中心に、各巻に最新の解説、訳註、エッツェル書店刊行時の挿画を全収録し、全五巻の愛読愛蔵版として刊行する。各巻挿絵100点前後掲載。
A5判丸背上製かがり綴カバー装
本文9ポ二段組 平均530頁
装幀 間村俊一
装画 堀江栞(和紙、岩絵具)
発行 株式会社インスクリプト
第I巻(第4回配本)ハテラス船長の航海と冒険
荒原邦博訳(21年7月刊) 特大巻:5,800円+税 [新訳、完訳]
第II巻(第1回配本)地球から月へ 月を回って 上も下もなく
石橋正孝訳(17年1月刊) 特大巻:5,800円+税 [新訳、完訳]
第III巻(第5回配本)エクトール・セルヴァダック
石橋正孝訳(23年4月刊) 定価:5,200円+税 [完訳]
第IV巻(第2回配本)蒸気で動く家
荒原邦博・三枝大修訳(17年8月21日刊) 定価:5,200円+税 [新訳、完訳]
第V巻(第3回配本)カルパチアの城 ヴィルヘルム・シュトーリッツの秘密
新島進訳(18年10月31日刊) 定価4,200円+税 [新訳、初訳]